更年期における性交痛は様々な原因で引き起こされますが、更年期で特に多いのが「膣が濡れなくて痛い」というお悩みです。
「10年ぶりにセックスできたのに濡れなくて痛かった」
「前戯をしても全然濡れなくなってしまった」
こういった声は少なくありません。
まわりに相談しにくい内容であり、彼にも心配をかけたくないと、誰にも相談できない方もいますが、自分にあった治療を行うことで改善することができます。
そこで、本記事では、更年期における膣が濡れない原因を解説し、セルフケアや治療方法を紹介します。
目次
膣が濡れない原因の前に、そもそもなぜ女性器が濡れるのかを簡単に解説します。
女性は性的な興奮が高まったり、女性器に刺激を与えられたりすると下半身に血液が流れ込み、 腟壁周辺に張り巡らされている毛細血管が拡張します。そして、拡張した隙間から潤滑液がしたたり落ちてきます。これが腟分泌液です。腟分泌液は、膣に男性器が挿入された際の潤滑油の役割を担っているため、腟分泌液が不足してしまうと性交痛の原因となってしまいます。
とはいえ、性的興奮があっても濡れなかったり、濡れていても性的興奮があるわけではなかったりしますので、必ずしも性的興奮度合いに左右されるとは限りません。
膣が濡れない症状は、更年期の女性に限らず若年層でも見られる症状でもあります。
ここでは、膣が濡れない原因を5つ紹介します。1つ目の「更年期と女性ホルモンの減少」については更年期特有の原因と言えますが、その他の4つの原因については、体質や環境によるもので、更年期ではない女性も当てはまります。
膣はエストロゲン(女性ホルモン)によって健康状態が維持されています。
エストロゲンは膣の粘膜を増殖させてふかふかな状態にするだけでなく、膣を潤った状態に保ってくれます。
しかし、閉経と更年期を迎えると、このエストロゲンが減少してしまいます。エストロゲンが減少することで、膣への血流が悪くなり膣粘膜が萎縮してしまうと同時に、潤い不足と乾燥を引き起こします。その結果、膣が濡れずに性交痛や膣炎の原因となってしまいます。
萎縮性腟炎とは、エストロゲンの減少により膣粘膜が濡れなくなってしまうと、膣の自浄作用が無くなって引き起こされてしまう膣炎です。
症状としては、臭いのある黄色いおりものがでたり、性交痛を感じるだけでなく、膀胱炎にもなりやすくなります。
前戯が不十分な状態で挿入をしようとすると、十分に膣が濡れていないことから摩擦が生じて性交痛の原因となってしまいます。
この場合は、パートナーと十分に話し合うことが大切です。前述の通り、膣が潤うには十分な性的興奮が必要であり、パートナーの協力が必要不可欠と言えます。
男性の中には自分本位のセックスをしようとして前戯を短くしてしまう人もいます。女性の膣がすぐに濡れるわけではないことを、男性に理解してもらうことが必要です。
もしマンネリ化が原因であれば、ラブホテルを使っていつもと違う環境でセックスをするなどの工夫をすることも有効的です。
膣が濡れない原因として、環境や二人の関係性、ストレス、緊張や不安、過去の体験(トラウマ)などによっても影響を受けてしまいます。
例えば、仕事で大きなミスをするなど過度なストレスを抱えたままセックスをしたときに、集中できずに性的興奮をしないことも考えられます。
膣が濡れないことが原因でセックスできなかった経験があると、その記憶が蘇って緊張感やプレッシャーが押し寄せてますます濡れなくなる、といった悪い循環も生まれてしまいます。
ストレスや緊張によってセックスに集中できないと感じたときは、勇気を持ってパートナーと相談しましょう。
加齢に関係無く、もともと体質的に濡れない女性も一定数います。
例えば、全然運動していないのに汗をかいてしまう人と、全然汗をかかない人がいるのと同様に、膣も濡れやすい人とそうでない人がいます。
性的な興奮が高まったとしても体質で濡れない人もいますが、それが悪いというわけでは決してありません。
特に、過度の冷え性が原因で血行不良があると、性器の毛細血管が収縮してしまい濡れない原因の1つにもなってしまいます。
前述したように、エストロゲンと呼ばれる女性ホルモンが膣の潤いに大きく関係します。
つまり、ホルモンバランスを崩してしまうと膣の状態にも関係します。そのため、ホルモンバランスを崩さないような生活習慣が必要となります。
例えば、栄養バランスの取れた食事をしているか、適度な運動を日々できているか、十分な睡眠と生活リズムが取れているか、といったものです。また、喫煙や過度なアルコールの接種をしてしまうと、ホルモンバランスを崩す原因にもなります。普段から生活週間を意識し、ホルモンバランスを整えることを意識することが大切です。
更年期における性交痛は医療機関で治療することがおすすめです。
セルフケアも効果的ですが、根本的解決に繋がらない可能性が高いです。
不適切な自己治療をしてしまうと悪化してしまう可能性すらありますので、医療機関で受診することを強くおすすめします。
そこで、病院で治療をする場合の具体的な治療方法を3つ紹介します。
エストリオールは女性ホルモンのひとつで、膣内に錠剤を自己挿入する局所治療です。
ホルモン補充療法(HRT)には、エストラジオール(E2)とエストリオール(E3)の2種類がありますが、保険診療の範囲内で使用できるエストロゲンの腟錠はエストリオールです。
閉経前後に用いることで、泌尿生殖器の萎縮にともなう膣の乾燥感や尿失禁に効果を発揮します。
膣のうるおいが不足して性交痛が生じている場合には、レーザー治療も効果的です。
当院が導入しているインティマレーザーという機器では、膣が濡れるようになるための治療だけでなく、膣の緩みや尿もれ治療にも効果を発揮します。
インティマレーザーは、レーザーを使用して膣の細胞を活性化させ、膣の弾力を向上させる効果があります。治療時間は15~20分程度で、メスは使用しません。傷跡も残らず、体への負担が少ないのがメリットです。性交痛にお悩みの方や、傷跡を残したくない方におすすめの施術法です。
レーザー治療について詳しくはこちらの記事をご覧ください。
膣萎縮用のヒアルロン酸注入剤を注入することによって、膣壁の弾力と潤いアップが期待される治療です。
マシンによる潤いアップの効果が出づらい場合にヒアルロン酸製剤の注入により潤いアップを補助する場合があります。
性交痛を改善するためには医療機関で受診することが最もおすすめですが、リューブゼリー(潤滑剤)を使ったセルフケアも一時的な解決方法として有効です。
前戯の段階から潤滑剤を取り入れることで、挿入時の摩擦を防ぐことができます。
よく勘違いされやすいのが、ローションと同じものだと思われていることです。セックスで使えると思われているローションは全身用として販売されているため、ぬめりが強く膣に入ると中々出てこない特徴があります。
メーカーによっては防腐剤も入っているので膣内に入れることは好ましくありません。
一方で、リューブゼリーは、挿入前に適度なぬめりがあるにも関わらず、挿入後は自然なサラサラな潤いに変化する特徴がある、水溶性の女性器専用潤滑ゼリーです。
リューブゼリーについて詳しくはこちらの記事をご覧ください。
更年期の性交痛にお悩みの方は、自分で判断したり自己治療や放置は症状の悪化にも繋がるので、お早めに当院へご相談下さい。
当院は女性専門のクリニックとして、更年期女性の患者様のお悩みを解決してきた実績があります。経験豊富な女医である院長が、直接カウンセリングから施術まで一貫して対応いたします。レーザー機器も最上位モデルを導入しており、様々な症状や悩みを根本的に解決させることができます。
性交痛にお悩みの方は、お気軽にご相談ください。
女性特有のお悩みを専門的に診察していることから、ご予約はそのお時間お一人様だけの完全貸切となります。スタッフも医師も全て女性のみ、個室で対応させて頂きます。 プライバシーに徹底的に配慮しているため1日の診療数には限りがございます。
当院では、海外で経験を積んだ女性院長が、初回のカウンセリングから、施術、アフターケアまで一貫して対応します。専門的な視点から患者様お一人ずつに寄り添った治療をご提案いたします。
平日はもちろんのこと、土日祝日も初診は10:00から17:00まで予約を受け付けております。お休みの日やちょっとした隙間時間にまずは相談してみてください。お急ぎの方はお電話でもご予約が可能です。
カウンセラー歴 20年
女性器に関する悩みは大変奥が深く、様々です。一般の美容外科でも女性器に関する治療は広く行われています。しかし、型通りの治療であって根本的な悩みの解決には至らないものであったり、ご自身の悩みの本質がどこにあるかよく分からないまま勧められる手術を受けられて結局は悩みが解決されなかったという方々も中にはいらっしゃるかと思います。
「美容婦人科」という言葉はまだまだ日本では知られていませんが、世界的には確立した診療科目であり、レーザーによる女性器の若返り(膣の引き締め、外陰部形成)の手術はアメリカ、ヨーロッパをはじめ、オーストラリア、韓国、でも広く普及している手術です。
みどり美容クリニックは、女性器形成を単なる美容整形外科手術の一分野としてではなく、女性器の膣のゆるみなどの機能的な問題や外陰部の形に関するお悩みに関してより専門的にご相談頂けるクリニックです。
アメリカの女性器形成専門センターでトレーニングを受けこのライセンスを取得した、日本人初の女性医師として、1人でも多くの日本の女性の方々の悩みが解決されるよう努めてまいります。
満行 みどり
公開日: 2024.03.01 更新日: 2024.03.01略歴
国立佐賀医科大学(現佐賀大学)医学部卒業。その後九州大学第二外科、佐賀県立病院好生館にて外科、救命救急、麻酔科全般を習得。
大手美容外科にて、ボディデザイン、女性器形成手術など多くの症例を手掛ける。
レーザーによる女性器の若返り治療、膣の引き締め、外陰部形成のライセンスをアメリカのビバリーヒルズにて日本人の女医として初めて習得。東京の広尾に、日本人初となる女医による女性器形成専門クリニック、みどり美容クリニック・広尾を開院する。
資格
所属学会