子どもが巣立ち、夫と久しぶりにセックスをしようしたものの「痛すぎて楽しめなかった…」と悩んではいませんか?
更年期に感じる性交痛の原因には、萎縮性膣炎が挙げられます。
そこで本記事では、萎縮性膣炎になる原因とともに症状や具体的な対処法について解説するので、ぜひ参考にしてみてください。
一般的に、更年期の女性で性交痛に悩む方は多いものです。加齢に伴う性交痛は「萎縮性膣炎」が影響している可能性があります。
ここでは、萎縮性膣炎を発症する4つ原因を紹介します。
萎縮性膣炎になる大きな原因は、女性ホルモンの一種であるエストロゲンの減少です。
エストロゲンの分泌量が豊富なときの膣はうるおいに満ち、膣の壁もふかふかな状態を保っています。
ですが、更年期が近づくに連れてエストロゲンの量は少なくなるため、膣内も乾燥して萎縮を起こし、弾力のあった壁も薄くなるのです。
薄くなった膣の壁はとても傷つきやすく細菌も入りやすいため、膣内が炎症を起こして萎縮性膣炎になります。
萎縮したり薄くなったりした膣の粘膜に傷がつくと、炎症を起こしやすくなります。
膣内の萎縮や表面が薄くなるメカニズムは、以下のとおりです。
・エストロゲンの分泌量が減る
・膣表面の皮が生成されにくくなる
・膣の壁が薄くなる
膣表面の細胞はエストロゲンの手助けによって再生と剥離を繰り返すことで、常に新しく生まれ変わっています。膣表面が整っていると、病原菌もなかなか侵入できません。
しかし、エストロゲンの分泌量が少なくなると膣表面の細胞が作られないため、膣の壁が薄くなり始めます。薄く硬くなった壁は傷つきやすく、そこから病原菌が入りこむと萎縮性膣炎になるのです。
膣内に雑菌が繁殖することも、萎縮性膣炎になる原因のひとつです。エストロゲンの減少によって、膣内を細菌から守っていた常在菌の消失が影響しています。
膣内には「デーデルライン桿菌」という常在菌があり、PH値を4〜5の酸性に保つことで細菌の増殖を防いでいます。デーデルライン桿菌を増やす手助けをしているのが、膣粘膜上皮の細胞内にあるグリコーゲンです。
エストロゲンの減少で上皮細胞が作られないため、グリコーゲンが減ると同時に、常在菌も少なくなります。常在菌がなくなれば膣内の環境が悪くなり、細菌感染を起こして萎縮性膣炎になる仕組みです。
膣内や外陰部の乾燥が原因で、萎縮性膣炎を引き起こすことも知っておきましょう。
うるおい不足の膣や外陰部はダメージを受けやすいため、傷がつくと細菌感染を引き起こします。
エストロゲンの分泌量が豊富なときは、潤滑液を作る「バルトリン腺」や「スケネ腺」が働くため膣内はうるおっています。
しかし、エストロゲンが減るとバルトリン腺やスケネ腺が萎縮して潤滑液が分泌されにくく、乾燥を招くことになるのです。
乾燥している膣内や外陰部に性交といった刺激が加わることで傷がつき、炎症を起こすと萎縮性膣炎になります。
萎縮性膣炎になる原因がわかったところで、気になるのが症状ではないでしょうか。
代表的な症状を5つ紹介するので、ご自身に当てはまるものはないかチェックしてみましょう。
萎縮性膣炎になった方の中には、性交痛を訴える方も少なくありません。性交痛を感じるのは、エストロゲンの減少によってさまざまな体の変化が起きているからです。
・膣の壁が薄くなっている
・膣の入口が収縮する
・潤滑液が出にくくなる
・外陰部の皮下脂肪やハリを保つ繊維が少なくなる
このように、弱まった膣内や外陰部には刺激がダイレクトに伝わるため、セックス時に痛みが出やすくなります。
萎縮性膣炎の症状には「外陰部のかゆみ」もあります。
かゆみが出るのは、外陰部の皮膚が薄くなったり乾燥したりしていることが大きな原因です。乾燥している部分に刺激が加わると傷がつきやすいため、そこから炎症を起こして萎縮性膣炎につながります。
できるだけ摩擦を減らすためにも、日々の保湿ケアやフィットしすぎない衣類を選ぶ工夫をしましょう。
黄色っぽい色のついたおりものが出始めるのも、萎縮性膣炎の症状のひとつです。おりものが黄色くなる原因は、主に細菌感染といわれています。
エストロゲンが不足し始めると、膣内を細菌から守る常在菌が増えにくくなるため、細菌感染しやすい状態になります。
エストロゲンの減少は閉経前後に起こるため、40〜60代でおりものが黄色くなったときには萎縮性膣炎の可能性を疑いましょう。
更年期に突入したあとに女性器から独特なニオイがする場合には、萎縮性膣炎を疑いましょう。
エストロゲンの不足とともに膣内にある常在菌のバランスが崩れると、悪い菌に置き換わるためニオイがし始めます。
さらに、細菌に感染した場合は悪臭を招くこともあるので要注意です。
女性器からのニオイは萎縮性膣炎だけが原因ではないため、特定するためにも早めに病院を受診しましょう。
萎縮性膣炎の主な原因であるエストロゲン不足は、尿管粘膜の萎縮も招きます。
尿道が萎縮すると、頻尿だけでなく排尿が難しくなることもあるため気をつけたいところです。
・陰部の不快感や乾燥
・性交痛 など
上記のような萎縮性膣炎の症状に加えて、頻尿や尿もれ・膀胱炎などが出る症状をまとめて「GSM」と呼びます。GSMは、中年以降の女性の約半数がかかっているといわれています。
GSMが進行すると、膣内に指を優しく入れても痛みを感じるようになるため、できるだけ早めに対処をしましょう。 こちらの記事では、GSMの症状やセルフケアについて詳しく解説しています。
萎縮性膣炎の症状が現れたら早めの対応をおすすめします。
萎縮性膣炎は閉経を迎えた女性の約半分がかかるといわれていますが、ならないように予防することも大切です。
ここでは、具体的な対処法を5つ紹介します。
萎縮性膣炎の予防のためには、膣の保湿ケアが欠かせません。閉経とともに膣内のうるおいが不足するため、外部からの刺激を受けやすい状態になります。
乾燥でかゆみが出るときは、膣周りにも使えるクリームや白色ワセリンで保湿をしましょう。性交痛で悩む方は、潤滑ゼリーを使って膣内への刺激をやわらげるのもおすすめです。
保湿をすることで膣・外陰部の乾燥や刺激を減らせるため、萎縮性膣炎の予防につながります。
雑菌の繁殖を防ぐためにも、通気性の高い服を着ましょう。体に密着する服は汗をかくとムレるため、雑菌が繁殖しやすい環境を作ってしまいます。
通気性バツグンの素材を選ぶときは、コットンやリネンがおすすめです。普段から風通しのよい衣類を身につけることで雑菌の繁殖を防げるため、萎縮性膣炎を予防できます。
すでに萎縮性膣炎の症状が出ている場合は、医療機関でホルモン補充療法(HRT)を受ける方法もあります。
萎縮性膣炎の大きな原因は、エストロゲン不足です。内服薬や経皮薬などでホルモンの補充ができるため、エストロゲン不足で起きていた萎縮性膣炎の症状を落ち着かせることができます。
HRTの治療開始後は、胃のむかつきや乳房のハリといった症状も出るため、主治医に相談しながら治療を進めましょう。
萎縮性膣炎は膣内に症状が現れやすいため、症状の回復のために「エリストリオール」という膣錠を入れる治療方法もあります。
1〜2mg/日のエリストリオールを2週間ほど膣内に入れ続けることで、萎縮性膣炎の症状が軽減します。
ですが、萎縮性膣炎の大きな原因はエストロゲン不足であるため、根本を解決しない限りは症状がぶり返す可能性も視野に入れましょう。
症状をいち早く改善したい方には、インティマレーザー治療を受けることをおすすめします。
インティマレーザー治療は、レーザーを当てることで性交時の痛みや膣内の乾燥を改善できる治療方法です。膣粘膜を傷つけることなく奥深く広範囲まで照射できるため、安全性を保ちながら萎縮性膣炎の改善を期待できます。
当院では、レーザーを用いた女性器形成の手術ライセンスを日本女医として初めて習得した院長が、カウンセリングから施術までおこなうため安心です。インティマレーザー治療について詳しく知りたい方は、以下をクリックして確認してみてください。
性交痛や外陰部のかゆみといった萎縮性膣炎の症状がある場合は、自己判断で治さないように気をつけましょう。
特に、黄色のおりものや異臭がする場合は、膣内で細菌感染を起こしている場合があります。その際は、病院を受診して適切な治療を受けなければなりません。
また、セックスをしていないのにおりものに血が混ざる場合は、子宮頸がんや子宮体がんといった悪性の病気が隠れている可能性もあります。自己判断では症状を見誤る可能性があるため、不安を感じる前に早めに病院を受診しましょう。
最後に、萎縮性膣炎に関してよくある質問をまとめました。
萎縮性膣炎が自然に治る可能性は、極めて低いといえます。
萎縮性膣炎の根本的な原因は、エストロゲンの減少です。エストロゲンは年を重ねるごとに減るものなので、症状を改善したい場合はホルモン治療やレーザー治療をおすすめします。
セックスによる痛みをやわらげたいときは、リューブゼリーを使用してみましょう。
リューブゼリーは、日本で初めて開発された水溶性の潤滑ゼリーです。精製水や化粧品に使われる成分で作られているため、肌への負担が少ない点がメリットといえます。 医療機関でも使用されているため、安全性が高く安心して使えますよ。
萎縮性膣炎はエストロゲン不足が大きな原因であるため、根本的に改善したい方はホルモン治療やレーザー治療を受けましょう。
ですが、長期のホルモン治療は体への影響を考えなければなりません。 体への負担を抑えて治療をしたい方は、痛みをほとんど感じないインティマレーザー治療がおすすめです。
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当院では、インティマレーザー治療の指導者ライセンスを持った院長自らが施術をおこなうため、安心して治療を受けられます。
「セックスの痛みを改善して、夫と良好な関係を築きたい」という方は、まずはお気軽にカウンセリングを受けてみてください。
女性特有のお悩みを専門的に診察していることから、ご予約はそのお時間お一人様だけの完全貸切となります。スタッフも医師も全て女性のみ、個室で対応させて頂きます。 プライバシーに徹底的に配慮しているため1日の診療数には限りがございます。
当院では、海外で経験を積んだ女性院長が、初回のカウンセリングから、施術、アフターケアまで一貫して対応します。専門的な視点から患者様お一人ずつに寄り添った治療をご提案いたします。
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カウンセラー歴 20年
女性器に関する悩みは大変奥が深く、様々です。一般の美容外科でも女性器に関する治療は広く行われています。しかし、型通りの治療であって根本的な悩みの解決には至らないものであったり、ご自身の悩みの本質がどこにあるかよく分からないまま勧められる手術を受けられて結局は悩みが解決されなかったという方々も中にはいらっしゃるかと思います。
「美容婦人科」という言葉はまだまだ日本では知られていませんが、世界的には確立した診療科目であり、レーザーによる女性器の若返り(膣の引き締め、外陰部形成)の手術はアメリカ、ヨーロッパをはじめ、オーストラリア、韓国、でも広く普及している手術です。
みどり美容クリニックは、女性器形成を単なる美容整形外科手術の一分野としてではなく、女性器の膣のゆるみなどの機能的な問題や外陰部の形に関するお悩みに関してより専門的にご相談頂けるクリニックです。
アメリカの女性器形成専門センターでトレーニングを受けこのライセンスを取得した、日本人初の女性医師として、1人でも多くの日本の女性の方々の悩みが解決されるよう努めてまいります。
満行 みどり
公開日: 2024.03.01 更新日: 2024.03.01略歴
国立佐賀医科大学(現佐賀大学)医学部卒業。その後九州大学第二外科、佐賀県立病院好生館にて外科、救命救急、麻酔科全般を習得。
大手美容外科にて、ボディデザイン、女性器形成手術など多くの症例を手掛ける。
レーザーによる女性器の若返り治療、膣の引き締め、外陰部形成のライセンスをアメリカのビバリーヒルズにて日本人の女医として初めて習得。東京の広尾に、日本人初となる女医による女性器形成専門クリニック、みどり美容クリニック・広尾を開院する。
資格
所属学会