・更年期に入ったら膣がかゆくなった
・陰部に違和感がある
更年期に入り上記の症状が、気になっていないでしょうか。更年期になると膣のかゆみなどのさまざまな障害が起きることがあります。
本記事では、更年期による膣のかゆみの原因や対策を解説しています。ご覧になることで更年期の膣のかゆみについて一通り理解できるでしょう。
目次
更年期によく見られる、膣がかゆくなる原因は、以下のとおりです。
・萎縮性膣炎
・陰部の摩擦や蒸れによるかぶれ
・膣カンジダ
・性感染症の感染
それぞれ解説していきます。
膣のかゆみの更年期特有の原因は、萎縮性膣炎です。
女性ホルモンの減少がきっかけとなり、膣のかゆみを引き起こします。
膣のかゆみ以外に、性交痛やおりものの変化などが引き起こされる疾患です。
更年期に入り、女性ホルモンが減少すると、さまざまな障害を引き起こします。詳細については後述します。
更年期に限ったことではありませんが、膣への摩擦や蒸れによる膣のかぶれが原因で、かゆみを引き起こすことがあります。かぶれは正式には、接触皮膚炎と呼ばれる病気です。
かぶれの主な原因は以下のとおりです。
・下着が擦れた時の摩擦
・下着の通気性の悪さからくる蒸れ
・生理用品の長時間の使用
陰部の蒸れは、汗ばむ夏に多いイメージですが、冬場の重ね着で蒸れることもあります。また、重ね着は陰部への圧迫が強くなる点でも要注意です。
陰部への刺激は、黒ずみの原因となることもあります。
膣カンジダの発症により、かゆみを引き起こすことがあります。
膣カンジダの主な症状は以下のとおりです。
・膣や外陰部のかゆみ
・粘度が高く、白く濁ったおりものが多量に出る
・ヒリヒリ・ズキズキとした痛み
・熱感
膣カンジダは、膣内の常在菌であるカンジダ菌の増殖によって発症します。通常、膣内は乳酸菌であるデーデルライン桿菌(かんきん)の働きで、弱酸性に保たれており、カンジダは増殖しません。
体調不良、加齢による免疫力の低下、女性ホルモンの減少からくる膣内の乾燥などで、デーデルライン桿菌が減少します。
その結果、カンジダ菌が異常増殖し、炎症を起こしたのが膣カンジダです。
性感染症に感染していることで、かゆみなどを引き起こす場合があります。性感染症の症状は以下のとおりです。
・かゆみ
・痛み
・不正出血
・おりものの変化
感染症によっては症状が軽く、感染に気づきにくい場合があります。また、自覚していても、恥ずかしいなどの理由から診察を避けた結果、感染を広げてしまうケースもあります。
性感染症は、放置していても治らないものもあるため、異常を感じたら早めに診察を受けましょう。
性感染症の例は以下のとおりです。
・クラミジア
・トリコモナス
・梅毒
・淋病
性感染症の多くは、性行為により感染しますが、トイレの使用やタオルなどから感染する感染症もあります。
更年期に膣がかゆくなる原因として多い萎縮性膣炎に関して、原因や症状、治療方法を解説します。
萎縮性膣炎になると、膣全体が乾燥してしぼんだ状態になり、さまざまな障害を引き起こします。
主な症状は以下のとおりです。
・掻痒感(そうようかん)
・乾燥感
・灼熱感
・性交痛
・おりものの変化
・圧迫感
膣や外陰部が乾燥するため、少し擦れただけで出血することがあります。
掻痒感は、掻きたくなるようなかゆみを感じる状態です。膣の乾燥は、かゆみだけでなく、潤い不足による性交痛を引き起こすこともあります。
おりものにも以下の変化があります。
・色がついている
・量が多くなる
・においが強くなる
いずれも、普段は無いような違和感があるでしょう。
萎縮性膣炎は、女性ホルモンであるエストロゲンの分泌量の低下によって起こります。
エストロゲンの分泌が低下すると、膣内の粘膜が薄くなります。その結果起きるのが、膣が弾力や潤いをなくすことによる膣の萎縮・乾燥です。
膣が乾燥すると、傷つきやすくなり、また、膣内の常在菌のバランスが崩れ、雑菌などが繁殖しやすくなります。
これらにより、膣や外陰部が炎症を起こした状態が萎縮性膣炎です。
萎縮性膣炎は、以前は老人性腟炎とも呼ばれ、更年期以降に多く見られる疾患です。更年期以降の女性の約40%が経験するといわれていますが、若い女性がなることもあります。
萎縮性膣炎は、放っておいても自然治癒しないため、治療が必要となります。主な治療法としては、エストロゲンの分泌を補うために、以下の方法で女性ホルモンを投与します。
・膣錠による膣からの直接投与
・内服薬の服用
炎症を起こしている患部には、軟膏の塗布が有効です。いずれも、医師に相談のうえ、処方してもらいます。
また、クリニックによってはレーザー治療も可能です。
レーザー治療は、膣内にレーザーを照射することで膣の細胞を活性化させる画期的な治療法です。
外陰部の黒ずみなど、陰部のさまざまな悩みも解消できることから、注目を集めています。
更年期のかゆみ対策は、陰部への刺激を避け、保湿することです。
例えば、入浴時に洗うときはやさしく、入浴後は保湿すること、刺激の少ない下着にするなどです。
入浴時、陰部を洗うときはやさしく洗いましょう。ナイロンタオルでゴシゴシ擦ってはいけません。
低刺激なソープを、できれば陰部専用のものを使うとさらに良いでしょう。指を使い、なでるように洗います。
熱いお湯を当てると乾燥しやすくため、ぬるま湯で洗うことをおすすめします。
陰部は、蒸れやすくヒダの間に垢が溜まりやすいなど、雑菌による炎症ややかぶれが起きやすいものです。清潔にしておくことは大切ですが、洗い過ぎは禁物です。
陰部の乾燥を防ぐために、保湿することも重要です。保湿は、陰部専用のクリームを使います。
入浴後など、清潔にしたうえで保湿クリームを塗布します。ティッシュなどを使うと摩擦による刺激を与えてしまうため、清潔な指で外陰部のみに塗布しましょう。
保湿クリームは、市販されておりドラッグストアや通販サイトなどから購入可能です。香り付きのものや、美白成分が配合されているなど、さまざまな製品があります。
膣のかゆみ対策には、陰部への刺激がないものや、蒸れにくい下着にしましょう。コットンやシルクなど天然素材がおすすめですが、自分の肌に合った素材を選ぶことが大切です。
タイトなデザインは、通気性が悪くなります。内側の縫い目が少ないもので、ゆとりのあるデザインの下着がおすすめです。
できることなら、汗をかいた下着はまめに交換することをおすすめします。蒸れは、夏場だけとは限りません。冬場の重ね着により、蒸れることがあります。
更年期には、かゆみ以外に性交痛や尿もれなどのさまざまな症状があります。これらを総称してGSM(閉経関連尿路性器症候群)と呼びます。
GSMの症状は以下のとおりです。
種類 | 症状 |
膣に関する症状 | かゆみ、灼熱感、乾燥、灼熱感、出血、痛み |
尿に関する症状 | 尿もれ、頻尿、残尿感、膀胱炎を繰り返す |
性交に関する症状 | 性交痛、感じにくい |
GSMの原因は、女性ホルモンであるエストロゲンの減少によるものです。
日常のケアとしては保湿が有効であり、治療では内服や膣錠によるホルモン投与、レーザー治療が有効です。
更年期で膣がかゆい場合は、婦人科を受診しましょう。更年期に起こる障害は、さまざまです。
そのため、皮膚科や泌尿器科など受診するよりも、更年期に起きる障害全般を診察できる婦人科が良いでしょう。
当院では、完全予約制の女性限定クリニックです。他の患者と顔を合わせることはないため、気軽に診察が受けられます。
当院では、女性スタッフのみの完全プライベートな空間で診察するため、気軽に利用できます。
更年期の膣の悩みに、インティマレーザーは効果的です。インティマレーザーは、膣の細胞に高いエネルギーを与え活性化させます。
その結果、膣が潤いや弾力を取り戻し、乾燥によるかゆみを根本的に解消します。照射モードにより、膣の引き締め効果や性交痛の改善など、さまざまな更年期の悩みに対応可能です。
レーザー治療は、切開する手術とは違い、傷が残らず出血もありません。ダウンタイムが短いため、施術後すぐに日常生活が送れます。
忙しい方や、治療したことを知られたくない方にもおすすめな治療法です。
▶参考記事:インティマレーザー(膣引き締め・ゆるみ解消のレーザー治療)
膣のかゆみが続くようであれば、クリニックでの診察をおすすめします。セルフケアで改善しない場合、萎縮性膣炎になっている可能性があります。
萎縮性膣炎になってしまった場合には治療が必要です。そのため、心配な方は早めにクリニックで一度診察を受けることで適切に対処できるでしょう。
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カウンセラー歴 20年
女性器に関する悩みは大変奥が深く、様々です。一般の美容外科でも女性器に関する治療は広く行われています。しかし、型通りの治療であって根本的な悩みの解決には至らないものであったり、ご自身の悩みの本質がどこにあるかよく分からないまま勧められる手術を受けられて結局は悩みが解決されなかったという方々も中にはいらっしゃるかと思います。
「美容婦人科」という言葉はまだまだ日本では知られていませんが、世界的には確立した診療科目であり、レーザーによる女性器の若返り(膣の引き締め、外陰部形成)の手術はアメリカ、ヨーロッパをはじめ、オーストラリア、韓国、でも広く普及している手術です。
みどり美容クリニックは、女性器形成を単なる美容整形外科手術の一分野としてではなく、女性器の膣のゆるみなどの機能的な問題や外陰部の形に関するお悩みに関してより専門的にご相談頂けるクリニックです。
アメリカの女性器形成専門センターでトレーニングを受けこのライセンスを取得した、日本人初の女性医師として、1人でも多くの日本の女性の方々の悩みが解決されるよう努めてまいります。
満行 みどり
公開日: 2024.03.01 更新日: 2024.03.01略歴
国立佐賀医科大学(現佐賀大学)医学部卒業。その後九州大学第二外科、佐賀県立病院好生館にて外科、救命救急、麻酔科全般を習得。
大手美容外科にて、ボディデザイン、女性器形成手術など多くの症例を手掛ける。
レーザーによる女性器の若返り治療、膣の引き締め、外陰部形成のライセンスをアメリカのビバリーヒルズにて日本人の女医として初めて習得。東京の広尾に、日本人初となる女医による女性器形成専門クリニック、みどり美容クリニック・広尾を開院する。
資格
所属学会