更年期において、性交痛やデリケートゾーンの擦れは多くの女性が経験する問題です。
特に40-50代の女性は閉経を経てホルモンバランスが変化する年齢でもあるので、今まで経験してこなかった悩みが増えやすい時期でもあります。
「10年ぶりのセックスが擦れを感じて痛かった」
「セカンドバージンだから挿入時に擦れないか心配」
このような悩みを抱えてご来院される方は少なくありません。
そこで、本記事では、擦れる痛みを伴った性交痛の原因と、適切な治療法について詳しく解説します。
まわりに相談しにくい話題だからといって、放置したり不適切なセルフケアをしてしまうと、症状が更に悪化したりパートナーとの関係性が悪くなる原因にもなってしまいます。
原因と治療方法について理解を深めて、自分に合った改善方法を見つけましょう。
目次
更年期女性の膣が擦れてしまう一番の原因は、乾燥による潤い不足ですが、女性器の大きさや膣炎といった年齢を問わない原因の可能性もあります。
そこで、膣が擦れてしまう主な原因を4つご紹介します。
膣が擦れてしまう原因で最も多いのは、乾燥による「潤い」不足です。
外因部や膣が乾燥してしまうと男性器を挿入したときに痛みを感じてしまいます。
この痛みを我慢しながら性交を続けると、出血やただれを引き起こしてしまいます。
膣が乾燥してしまう原因は以下の通りです。
・エストロゲン(女性ホルモン)の減少
・前儀不足
・生活習慣の乱れ(食生活や睡眠リズム)
・膣萎縮(更年期障害)
特に更年期の女性の場合は「エストロゲン」の減少よって膣が乾燥してしまいます。
エストロゲンは、膣の健康を維持する重要な役割を担っている女性ホルモンの一種です。
エストロゲンには膣の潤滑油とも言える粘膜を増殖させて、潤いを保つ働きがあります。
ただし更年期に入ると、このエストロゲンが減少してしまうことで膣の潤いを保てなくなるだけでなく、膀胱炎を引き起すなどの様々な症状が現れます。
エストロゲンの低下以外にも、寝不足やストレスといった全年齢に当てはまる原因もあります。
生活リズムを整えてホルモンバランスを保つことが、膣の乾燥防止に繋がると言えます。
萎縮性膣炎とは、膣の潤いが不足して壁が薄くなることでかゆみを感じたり、ただれたりしてしまう症状です。
膣の潤いには、付着した病原菌の増殖を防いだり膣を清潔に保つ役割があります。
この潤いが不足してしまうと、膣内の病原菌が増殖しやすくなることで膣炎が誘発されてしまうこともあります。
萎縮性腟炎が発症すると膣が乾燥してしまうと同時に、挿入時の擦れを感じてしまう原因にもなるだけでなく、擦れたまま行為を続けると出血にいたるケースもあります。
外陰部のひりひりする痛みや、性器にしみる感覚、違和感やおりものや出血、性交痛などが気になったら、放置せずに医療機関へ相談しましょう。
膣の中が擦れて痛む場合は、細菌が原因の膣炎を発症している恐れがあります。考えられる膣炎は以下の2種類です。
【カンジダ膣炎】
カンジダは真菌の一種で普段から体内にいる菌です。
しかし、病気や疲労、妊娠などで、抵抗力が弱っていたり、ホルモンバランスが崩れたりすると、増殖したのち炎症を引き起こします。
セックスの相手がカンジダに感染してしまうこともあります。症状としては、外陰部に痒みやおりものが出ます。このような症状が出た時は、医療機関での治療が必要です。治療法としては、抗真菌薬(飲み薬と腟に直接入れる錠剤)を使います。
【トリコモナス膣炎】
トリコモナス腟炎とは、腟トリコモナス原虫という寄生虫が引き起こす感染症です。
性行為だけでなく、タオル・下着・便器・浴槽の共有でも感染する可能性がある性病で、性器内に「膣トリコモナス原虫」という微生物が入り込むことによって発症します。
そのため、性行為を経験したことのない男女や閉経後の女性、子どもにも感染する可能性があります。
小陰唇の大きさは生まれつきの遺伝によってある程度決まっていますが、後天的な要因で大きくなることもあります。
出産によって小陰唇が伸びたり、会陰切開後の縫合で形がいびつなったり、加齢によっても肥大化することはあります。
これは年齢を重ねると皮膚のハリが無くなって、たるみとむくみが現れるのと同じです。小陰唇が肥大化すると、下着との擦れや痛みを引き起こす原因になってしまいます。
治療方法としては、女性器形成・婦人科形成外科にて「小陰唇縮小手術」か「レーザー治療」の2種類があります。
詳しくはこちらの記事を参考にしてください。
擦れを伴う性交痛の治療は、当院をはじめとする医療機関で受診することが最も改善の近道であり、効果的です。
そこで、病院で治療する場合の治療方法を3つご紹介します。
エストリオールとは、女性ホルモンのひとつで、膣内に錠剤を挿入する治療です。
女性ホルモンの膣剤には、エストラジオール(E2)とエストリオール(E3)の2種類がありますが、保険診療の範囲内で使用できるエストロゲンの腟錠はエストリオールです。
膣粘膜の保湿を促し、乾燥や不快感を緩和する効果があります。子宮内膜への影響が少なく、保険適用内で治療できるのがメリットです。
注意点としては、乳がんや子宮がんがある方は、卵胞ホルモンによって病状が悪化する可能性があるため使用できません。
膣萎縮用のヒアルロン酸注入剤を注入することによって、膣壁の弾力と潤いアップが期待される治療です。
マシンによる潤いアップの効果が出づらい場合にヒアルロン酸製剤の注入により潤いアップを補助する場合があります。
膣のうるおい不足による擦れを感じる場合には、レーザー治療がオススメです。
当院が採用している「インティマレーザー」という機器では、症状に合わせて治療可能な様々なモードを搭載しています。
膣の乾燥を治療する場合は「レノバレイズ」と呼ばれる性交痛を改善するモードでの照射が行われます。
膣壁に弾力をつけることで、乾燥しにくい環境を整えていく治療です。レノバレイズは、膣粘膜の深い層にまでエネルギーが届き、小陰唇や膣の入り口~奥までの広い範囲を施術することが可能です。当院ではインティマレーザーの指導医の資格をもった院長が直接施術し、一人ひとりに合った治療を行います。
レーザー治療について詳しくはこちらの記事をご覧ください。
更年期における性交痛は辛いものですが、いくつかの対策を試すことによって痛みを和らげることができます。
前提として、どんな性交痛の症状においても症状に気が付いた時点で医療機関で受診することが大切です。
しかし、繰り返し発症しないためにも治療後のセルフケアがも重要になってきます。
そこで、予防としても有効なセルフケア方法を3つ紹介します。
前戯不足による潤い不足を感じた場合には、勇気を持ってパートナーと相談することも重要です。
潤いが不足したまま挿入してしまうと、擦れて性交痛を引き起こします。
性交痛は自分一人の問題ではなく、パートナーと二人で解決すべき問題です。
快適な性生活を送ることができれば、お互いのストレスを無くすことができます。
前戯の段階からリューブゼリー(潤滑剤)を取り入れることも効果的です。
リューブゼリーを使用することで、挿入時の摩擦を減らし痛みを軽減できます。
リューブゼリーは成分のほとんどが精製水でできており、人体への影響が少ないのが特徴の女性器専用潤滑剤です。
リューブゼリーは信頼性が高く、行政や医療機関などでも使用されています。リューブゼリーと同じものと勘違いされやすいローションは、膣ではなく全身に使用できる想定のため、ぬめりが強く水に溶けにくい性質があり、膣に入ると中々出てこない特徴があります。
メーカーによっては防腐剤も入っているので膣内に入れることは好ましくありません。詳しくはこちらの記事をご覧ください。
膣や外陰部は非常にデリケートな部位なので、過度な刺激を与えないようにしなければいけません。
特に臭いを伴った症状が出ているときに、思わずゴシゴシと激しく洗浄する方もいますが、優しく洗わなければいけません。
洗浄力の強いボディソープを使用する必要はなく、お湯で優しく洗い出すだけでも清潔さを保つことはできます。
膣の擦れや性交痛を感じたときは早い段階で医療機関で受診しましょう。
自己治療や放置は症状の悪化にも繋がるので、お早めに当院へご相談下さい。
まわりに相談しにくいと悩んでいる方も、当院は女性専門のクリニックとして、経験豊富な院長が直接カウンセリングから施術まで対応いたします。
レーザー機器も最上位モデルを導入しており、様々な症状や悩みを根本的に解決させることができます。
性交痛にお悩みの方は、お気軽にご相談ください。
女性特有のお悩みを専門的に診察していることから、ご予約はそのお時間お一人様だけの完全貸切となります。スタッフも医師も全て女性のみ、個室で対応させて頂きます。 プライバシーに徹底的に配慮しているため1日の診療数には限りがございます。
当院では、海外で経験を積んだ女性院長が、初回のカウンセリングから、施術、アフターケアまで一貫して対応します。専門的な視点から患者様お一人ずつに寄り添った治療をご提案いたします。
平日はもちろんのこと、土日祝日も初診は10:00から17:00まで予約を受け付けております。お休みの日やちょっとした隙間時間にまずは相談してみてください。お急ぎの方はお電話でもご予約が可能です。
カウンセラー歴 20年
女性器に関する悩みは大変奥が深く、様々です。一般の美容外科でも女性器に関する治療は広く行われています。しかし、型通りの治療であって根本的な悩みの解決には至らないものであったり、ご自身の悩みの本質がどこにあるかよく分からないまま勧められる手術を受けられて結局は悩みが解決されなかったという方々も中にはいらっしゃるかと思います。
「美容婦人科」という言葉はまだまだ日本では知られていませんが、世界的には確立した診療科目であり、レーザーによる女性器の若返り(膣の引き締め、外陰部形成)の手術はアメリカ、ヨーロッパをはじめ、オーストラリア、韓国、でも広く普及している手術です。
みどり美容クリニックは、女性器形成を単なる美容整形外科手術の一分野としてではなく、女性器の膣のゆるみなどの機能的な問題や外陰部の形に関するお悩みに関してより専門的にご相談頂けるクリニックです。
アメリカの女性器形成専門センターでトレーニングを受けこのライセンスを取得した、日本人初の女性医師として、1人でも多くの日本の女性の方々の悩みが解決されるよう努めてまいります。
満行 みどり
公開日: 2024.03.01 更新日: 2024.03.01略歴
国立佐賀医科大学(現佐賀大学)医学部卒業。その後九州大学第二外科、佐賀県立病院好生館にて外科、救命救急、麻酔科全般を習得。
大手美容外科にて、ボディデザイン、女性器形成手術など多くの症例を手掛ける。
レーザーによる女性器の若返り治療、膣の引き締め、外陰部形成のライセンスをアメリカのビバリーヒルズにて日本人の女医として初めて習得。東京の広尾に、日本人初となる女医による女性器形成専門クリニック、みどり美容クリニック・広尾を開院する。
資格
所属学会