閉経後でもコンドームはつけた方が良い|ゴムなしセックスの危険性

監修医師

満行 みどり

公開日: 2020.05.28 更新日: 2023.05.22

略歴

国立佐賀医科大学(現佐賀大学)医学部卒業。その後九州大学第二外科、佐賀県立病院好生館にて外科、救命救急、麻酔科全般を習得。
大手美容外科にて、ボディデザイン、女性器形成手術など多くの症例を手掛ける。
レーザーによる女性器の若返り治療、膣の引き締め、外陰部形成のライセンスをアメリカのビバリーヒルズにて日本人の女医として初めて習得。
東京の広尾に、日本人初となる女医による女性器形成専門クリニック、みどり美容クリニック・広尾を開院する。


資格

  • ・DLV(レーザーによる外陰部形成手術)認定医
  • ・LVR(レーザーによる膣の引き締め手術)認定医
  • ・ビビーブ認定医
  • ・ベイザー4D認定医
  • ・ベイザーハイデフ認定医
  • ・レーザー&ヘルスアカデミー婦人科講師
  • ・インティマレーザーアドバンストインストラクター(インティマレーザー指導医)
  • ・Fotona(フォトナ社)インターナショナルコンサルタント
  • ・パールフィラー認定医(パールフィラー注入セミナー講師)

所属学会

  • ・日本美容外科学会会員
  • ・日本性機能学会会員
  • ・日本抗加齢学会会員
  • ・アメリカレーザー医学会正会員

はじめに

「自分は閉経しているようだが避妊は必要か」 「50代だがセックスの時コンドームはつけた方が良いのか」 久しぶりのセックスを控える50代で、このような疑問を持つ女性は多いのではないでしょうか。

この記事では閉経を迎える頃である50代女性に向け、閉経前後での心身の変化や閉経しても妊娠するのかなどを解説します。
また、閉経後のコンドームの必要性がわかるなど、久しぶりのセックスにおける疑問を解消できるでしょう。
閉経後のセックスについて気になる方はぜひご覧ください。

閉経後の心と体の変化

閉経後に起こる心と身体の変化について以下の通り解説します。

・閉経とは
・何歳ぐらいに閉経するのか
・閉経後の身体に起きる変化
・閉経後心に起きる変化

閉経とは

閉経とは、卵巣が活動性を失い月経が完全に停止した状態のことです。
月経が来なくなって1年経過後、この期間を振り返って閉経したと判断します。

したがって、月経がしばらくないからという理由だけで閉経したと断定はできません。
例えば2〜3ヶ月、月経がない場合はその時点では閉経と判断できず、わかることは生理不順であるということだけです。
子宮摘出などにより月経で判断できない場合は、以下のホルモン値により判断します。

・FSH(卵胞刺激ホルモン)値40mIU/mL 以上
・E2 値20pg/mL以下

また、閉経の前後5年間程度の期間を更年期と呼び、この期間は女性ホルモンの分泌が低下し始めることが特徴です。
更年期に入ると、身体にはさまざまな症状が出る場合があります。

何歳ぐらいに閉経するのか

日本人の閉経を迎える平均年齢は50.5歳です。
ただし、あくまで平均年齢であって実際の閉経年齢は人それぞれ違いがあります。

例えば、早い場合では40代前半に閉経する方もいます。
また、50代後半まで月経が続く方がいるなどさまざまです。

このため、自分が何歳くらいで閉経するものなのかはわかりません。
個人差はあるものの、閉経前には月経の周期や量に変化が起こります。

一例として、多いのは40代前半くらいで月経周期が短くなり、量も少なくなるパターンです。
40代後半になると、2〜3ヶ月に一回など月経の回数が減り、量も不安定になります。

その後、月経がなくなり50歳ぐらいに閉経する経過です。
ただし、これまで毎月月経があったのに突然止まってしまうケースなど、個人差があります。

閉経後の身体に起きる変化

閉経前後の5年間は更年期と呼ばれ、女性ホルモンの分泌が低下し、身体にさまざまな症状が現れます。
症状の出方や程度には個人差がありますが、更年期の主な症状は以下の通りです。

分類 症状
放熱に関する症状 ほてり、のぼせ、ホットフラッシュ、発汗
痛みやしびれに関する症状 胸が締め付けられるような感じ、頭痛、肩こり、腰や背中の痛み、関節の痛み、冷え、しびれ

乾燥に関する症状

皮膚や粘膜の乾燥、しわやしみが日ごとに増えているように感じる、手荒れが治りにくい、全身が乾燥して保湿剤が欠かせない、ドライアイで目薬が手放せない、性交痛
その他の症状 めまい、動悸、疲れやすくなった、太りやすくなった、やせにくい

個人差があるものの、さまざまな身体症状が現れるのが更年期です。
しかし、更年期が過ぎたあとは体調が良くなり、エネルギッシュな毎日を過ごす女性も多くいます。

閉経したからといって、女性として終わってしまうわけではありません。
むしろ閉経後、元気になった分趣味や恋愛を楽しめるでしょう。

閉経後心に起きる変化

閉経前後の更年期において、起きる可能性がある精神的症状は以下の通りです。

・無気力(意欲の低下)
・気分の落ち込み
・イライラ
・情緒不安定
・不眠

このような抑うつ症状が出ることが特徴です。ただし、個人差がありほとんど気にならない方も多くいます。

更年期の抑うつは、女性ホルモンの減少が大きな原因です。

更年期に入ると、女性ホルモンである「エストロゲン」の分泌が減少します。
エストロゲンは、「セロトニン」の分泌を促しており、更年期には、エストロゲンとともにセロトニンも減少しやすい状態です。

セロトニンは「幸せホルモン」と呼ばれ精神の安定を促すホルモンです。 セロトニンの減少により抑うつ状態が起きやすくなります。
また、更年期以降に性欲が減少することもありますが、逆に性欲が旺盛になる女性もいます。

女性ホルモンの分泌が低下することで、相対的に男性ホルモンが強くなることが原因の一つです。
このようなことも含め、むしろ閉経以降に、積極的に恋愛を楽しむ女性もいます。

閉経後でも妊娠するのか

閉経後の妊娠について、以下の通り解説します。

・閉経後妊娠の可能性はあるのか
・年齢による妊娠の可能性

閉経後妊娠の可能性はあるのか

閉経後は、卵巣が活動性を失っているため妊娠の可能性はありません。
最後の月経から1年間月経がない場合、この1年間を振り返って閉経したと判断します。
最後の月経から1年経過後であれば、閉経であるため妊娠の可能性はないでしょう。

ただし数ヶ月、月経がないだけでは閉経したと判断できず、この期間避妊なしに性交した場合、妊娠するかもしれません。
このように、「月経が止まったから」ではなく、あくまで「閉経した」という判断を避妊の基準にする必要があります。

年齢による妊娠の可能性

「1年間避妊しないで性交渉をした場合の年代別妊娠確率」は以下の通りです。

年代

妊娠率
20歳~24歳 86%

25歳~29歳

78%

30歳~34歳

63%

35歳~39歳

52%

40歳~44歳

36%

45歳~49歳

5%

50歳以上

0%

引用元:M.Sara Rosenthal.The Fertility Sourcebook.Third Edition

妊娠率は、35歳を過ぎると50%程度となり、さらに45歳を超えると一桁になります。
そして50歳を超えると、ほぼ妊娠の可能性はなくなることがわかります。

妊娠の確率が低くなる原因の一つが、卵子の減少です。
生まれた時には200万個あった卵子は思春期の頃で20〜30万個程度に減少します。
その後も増加することはなく、30代後半から急激に減少し、閉経時にはほぼなくなる状態です。

また、男性側の精液量の減少及び精子の運動率や濃度の低下なども含め、より妊娠はむずかしくなるでしょう。

閉経後でもコンドームは必要

閉経後でも、性交時にはコンドーム着用がおすすめです。
着用に関して以下を解説します。

・実際にはまだ閉経していない場合がある
・感染症を防ぐために必要
・コンドームをつけてもらうために

実際にはまだ閉経していない場合がある

自分では閉経したと思っていても実はまだ閉経していなかった、という場合があります。
前述の通り、閉経は最後の月経から1年間月経がない場合に、この1年を振り返って判断されるものです。
このため、しばらく月経がないから閉経したと思っていても実際には閉経していなくて妊娠する可能性があります。

年齢的には、妊娠の可能性は下がっているとはいえ、可能性がないわけではありません。

40代・50代でも、確実な閉経の判断がない限り、妊娠を望んでいないのであれば避妊が必要です。

避妊には、ピルの服用という手段もありますが、疾患を持つ場合服用できないこともあるため、まずはコンドーム の着用をおすすめします。

感染症を防ぐために必要

閉経後では、性交しても妊娠することはありません。
しかし性交によって性感染症に感染するリスクがあります。

性感染症に感染していないことを、事前にお互い確認できれば良いですが、実際にはむずかしいでしょう。
また、本人は気付いていなくても感染しているかもしれません。

コンドームを使用することで、多くの性感染症の感染を防げます。
主な性感染症の種類は、以下の通りさまざまです。

・クラミジア
・淋病(淋菌)
・HIV・エイズ
・梅毒
・ヘルペス
・カンジダ
・HPV・尖圭コンジローマ
・トリコモナス

コンドームを使用することで、HIVでは概ね80〜90%のリスク低減効果があると言われています。

また、淋病やクラミジアなどいくつかの性感染症に対しても予防効果があることが報告されています。
このように、性感染症の感染予防においても効果を発揮するため、性交の際にはコンドームの着用がおすすめです。

コンドームをつけてもらうために

性交の際にはコンドーム の着用が大切であっても、パートナーによってはつけてもらえないかもしれません。
この場合、年齢的に頼みづらい部分もありますが、着用を促すためには以下の方法があります。

・事前に複数用意しておき、性交時パートナーに選んでもらう
・一緒に通販サイトで選ぶ
・つけないのであれば性交できないとはっきり伝える

パートナーが用意してある場合も十分考えられます。このため、最初から差し出すのではなく、相手が用意していないことがわかった時点で出しましょう。

「つけて」と頼むのではなく「どれにしようか?」と選んでもらうことで、着用することが前提となります。
どうしても着用してもらえない場合、その日は挿入なしのスキンシップだけにとどめても良いでしょう。

挿入にこだわる必要はありません。後日通販サイトなどで一緒に選ぶことで、着用するきっかけになるかもしれません。

最近では、女性がコンドームを持参することについて、良い印象を持つ男性も増えています。
このため、コンドーム 着用についてオープンに話し合っても良いのではないでしょうか。

まとめ

最後の月経から1年経過後を閉経と判断し、日本人女性は、平均50歳くらいで閉経します。

このため50代では妊娠の可能性は低いでしょう。しかし、性感染症を予防するためにコンドームの着用をおすすめします。
当院では閉経後でも性交を楽しめるよう、専門家によるアドバイスができます。

多くの症例に携わった経験から適切な対処ができるため、女性の性交に関するお悩みがある場合には、ぜひお気軽にご相談ください。

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平日はもちろんのこと、土日祝日も初診は10:00から17:00まで予約を受け付けております。お休みの日やちょっとした隙間時間にまずは相談してみてください。お急ぎの方はお電話でもご予約が可能です。

カウンセラー歴 20

みつゆき みどり 院長

  • 美容婦人科
  • 女性器形成
  • 産後ケア
  • 更年期医療
  • 計8件の国際的な資格に認定

女性器に関する悩みは大変奥が深く、様々です。一般の美容外科でも女性器に関する治療は広く行われています。しかし、型通りの治療であって根本的な悩みの解決には至らないものであったり、ご自身の悩みの本質がどこにあるかよく分からないまま勧められる手術を受けられて結局は悩みが解決されなかったという方々も中にはいらっしゃるかと思います。

「美容婦人科」という言葉はまだまだ日本では知られていませんが、世界的には確立した診療科目であり、レーザーによる女性器の若返り(膣の引き締め、外陰部形成)の手術はアメリカ、ヨーロッパをはじめ、オーストラリア、韓国、でも広く普及している手術です。

みどり美容クリニックは、女性器形成を単なる美容整形外科手術の一分野としてではなく、女性器の膣のゆるみなどの機能的な問題や外陰部の形に関するお悩みに関してより専門的にご相談頂けるクリニックです。

アメリカの女性器形成専門センターでトレーニングを受けこのライセンスを取得した、日本人初の女性医師として、1人でも多くの日本の女性の方々の悩みが解決されるよう努めてまいります。