「ちなら(膣なら)」とは?膣から空気が出る原因を女医が解説

監修医師
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満行 みどり

公開日: 更新日:

略歴

国立佐賀医科大学(現佐賀大学)医学部卒業。その後九州大学第二外科、佐賀県立病院好生館にて外科、救命救急、麻酔科全般を習得。
大手美容外科にて、ボディデザイン、女性器形成手術など多くの症例を手掛ける。

レーザーによる女性器の若返り治療、膣の引き締め、外陰部形成のライセンスをアメリカのビバリーヒルズにて日本人の女医として初めて習得。東京の広尾に、日本人初となる女医による女性器形成専門クリニック、みどり美容クリニック・広尾を開院する。

資格

  • DLV(レーザーによる外陰部形成手術)認定医
  • LVR(レーザーによる膣の引き締め手術)認定医
  • ビビーブ認定医
  • ベイザー4D認定医
  • ベイザーハイデフ認定医
  • レーザー&ヘルスアカデミー婦人科講師
  • インティマレーザーアドバンストインストラクター(インティマレーザー指導医)
  • Fotona(フォトナ社)インターナショナルコンサルタント
  • パールフィラー認定医(パールフィラー注入セミナー講師)

所属学会

  • 日本美容外科学会会員
  • 日本性機能学会会員
  • 日本抗加齢学会会員
  • アメリカレーザー医学会正会員

性行為中に膣から空気が出てしまい恥ずかしかった。
ヨガの最中、おならのように膣から空気がでてしまい気まずかった。

このような経験はございませんでしょうか?

これはおならではなく「ちなら」と呼ばれるもので、膣に空気が入ることで引き起こされます。

多くの女性が経験することではありますが、以前と比べ「ちなら」の頻度が多くなってきた、という方は注意が必要です。

今回はその「ちなら」について詳しく解説します。

「ちなら(膣なら)」とは?

音も似ているため「おなら」と勘違いされがちですが、これは「ちなら(膣なら)」と呼ばれるものであり、「おなら」とは全くの別物です。正しくは「膣排気音」という名称であり、海外では「クイーフ現象」とも呼ばれます。

ちならは膣に入った空気が外に押し出されることで、おならのような音が出てしまう生理現象です。出てくるのはただの空気であり、匂いも全くありません

「ちなら」を経験している人は多い

Q. 「ちなら」を経験したことがある?

この膣に空気が入る「ちなら」ですが、経験している女性は多いことが調査によりわかっています。

女性における「ちなら」を研究した論文では、調査した女性の内「ちなら」を経験した方は40.1%いたと報告されています。

つまり約2人に1人の女性が「ちなら」を経験しているため、「ちなら」を経験している人の割合としてはかなり多いことがわかります。

参照:Vaginal Flatus and the Associated Risk Factors in Iranian Women: A Main Research Article

膣に空気がはいる原因

膣に空気がはいるようになるのは、膣のゆるみが原因です。膣がゆるむ原因としては主に以下の出産と骨盤底筋のゆるみの2つが挙げられます。

出産

妊娠中に胎児が大きくなるにつれて骨盤底筋に大きな負担がかかり、膣周辺の筋肉にダメージを受けます。特に産まれてくる赤ちゃんのサイズが大きかったり、出産に時間がかかったりすると、より筋肉に大きなダメージを与えることとなります。

また出産を何度も繰り返す方は、そのたびに膣にダメージを与えることになるため、膣がゆるみやすい傾向にあります。

出産による膣のゆるみは出産後、しばらくすると徐々に縮んできますが完全に元に戻ることはありません。

骨盤底筋のゆるみ

骨盤底筋のゆるみ

「ちなら」は骨盤底筋という筋肉がゆるみ、膣内に空気が入りやすくなることで引き起こされます。

骨盤底筋は骨盤の底から子宮や膀胱、直腸などの臓器を支えている筋肉の総称です。この骨盤底筋が弱体化すると膣のゆるみに繋がり、空気が入る様になってしまいます。骨盤底筋がゆるむ原因は次のようなものがあります。

加齢

加齢により筋肉が弱体化していくと同様に、骨盤底筋も弱体化していきます。

運動不足

運動不足により他の筋肉と同様に骨盤底筋の筋力も低下します。

姿勢の悪さ

姿勢が悪いことも骨盤底筋の弱体化に繋がります。姿勢が悪いと、骨盤底筋を正しく使うことができず、筋力が衰えてしまうためです。

肥満体型

太りすぎて下腹部に脂肪がついてくると、骨盤底筋群に負担がかかり、筋肉が伸びてしまいます。これが膣のゆるみの原因になってしまうことがあります。

便秘・頻尿によるいきみ

排便の際はいきむために、腹圧が高くなります。特に便秘の場合、何度も強くいきむことが多くなりがちです。このことが原因で骨盤底筋に負担をかけ痛めてしまいます。

膣に空気が入るタイミング

ちならがでやすいポーズ

ちならが起きやすいタイミングとしては、ヨガやピラティスといった運動時、仕事場で立ったり座ったりする際、また性行為時に多いようです。

ヨガなどの運動時に、ダウンドッグショルダースタンドといったポーズのように骨盤が高い位置に来るポーズでは空気が膣内に入りやすいため注意が必要です。

また性行為時、激しいピストンをした際にも空気が入ることがあります。

ちならの対策方法

膣に空気が入らないように改善し、ちならを防ぐ方法としては3つご紹介いたします。

ヨガ・膣トレ

ヨガなどの膣トレによって膣のゆるみを改善することができます。

膣圧を上げるために話題になっているのが、ケーゲル体操です。

ケーゲル体操の方法は以下の通りです。

ケーゲル体操

1:仰向けになって膝を楽な状態に曲げる
2:両足を肩幅程度に開く
3:おしりにキュッと力をいれ、骨盤底筋を締める
4:4秒間ほど維持した後ゆるませる
5:これを10回連続続ける

締める時間を少しずつ伸ばしていき最終的には10秒間できるまでやれるようにしましょう。

膣トレを続けるのが難しそう、という方は治療による改善もオススメです。

膣トレについて詳しく見る

インティマレーザー

インティマレーザーは、蓄熱式のレーザーで、膣の粘膜を傷つけることなく膣の潤いアップ、膣の引き締めを行えるレーザー機器です。膣の入り口から奥深くまで、広範囲の治療が可能です。

治療スピードも早く、痛みやダウンタイムが少ないことが特徴です。膣を引き締めると同時に、膣内に潤いを与えるので感度の向上も期待できます。

また、実績や論文が多く、安全性の高いレーザー機器であることが証明されています。これまで大きな合併症や、事故の報告などはありません。美容大国アメリカでも、ドクターと患者が選ぶ「最優秀賞レーザー機器賞」を受賞しています。

インティマレーザーについて詳しく見る

膣ハイフ

膣ハイフは、粘膜の深層部まで有効な熱エネルギーを届けられる、世界初の膣引き締め機器です。尿道も含めた360度全周に照射可能で、これまで手術でしか治療できなかった筋層までアプローチできます。周りの膣粘膜を傷つけることもありません。

膣の奥から引き締めることができるため、より根本的にゆるみを改善することができます。効果の持続期間も他のマシンと比べ長く、1年~1年半効果が持続します。

ヴィーナスハイフ(膣ハイフ)について詳しく見る

ちならだけじゃない!ゆるみによって起きる症状

膣のゆるみはちならだけでなく、他にも様々なトラブルを引き起こします。

心当たりのある症状がないか確認してみましょう。

尿漏れ

骨盤底筋は膣だけでなく、尿道や肛門も支える役割があります。そのため骨盤底筋がゆるむと、尿道を支える力がゆるくなり、尿もれや頻尿を引き起こします。

お湯漏れ

お風呂上がりに、膣から水が出てきてしまう事をお湯漏れと呼びます。膣がゆるむと膣の入口が開いてしまうため、お風呂に入った際にお湯が膣の中に入ってしまいます。お湯漏れをしてしまうと、お風呂上がりに下着が濡れてしまい、とても不快な思いをします。

不感症

膣がゆるむと密着感がなくなり、行為時に感じにくくなってしまいます。男性も膣がゆるいといきにくくなり、二人の性行為の満足度が下がってしまいます。

子宮脱

筋肉の衰えによるゆるみは子宮脱という症状に繋がる可能性があります。子宮脱は子宮を支える筋肉がゆるみ、子宮の一部または全部が膣から脱出してしまう病気です。

この子宮脱ですが、実は女性の10人に1人が疾患を抱えている病気で、症状としては、出血、化膿、排尿障害などを引き起こします。

まずはお気軽にご相談ください

当院では女医である院長がカウンセリングから施術まで一貫して行います。患者様にあった治療をご提案させていただくため、まずは一度ご相談ください。

また膣に空気が入る、といった膣のゆるみの悩みだけでなく、性交痛、女性器の黒ずみなどもまとめて治療できるプランもございます。

プライバシーに徹底配慮し、完全予約制で患者様以外は誰もいない空間のため、安心してお越しください。まずはカウンセリング予約よりご連絡ください。

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カウンセラー歴 20

みつゆき みどり 院長

  • 美容婦人科
  • 女性器形成
  • 産後ケア
  • 更年期医療
  • 計8件の国際的な資格に認定

女性器に関する悩みは大変奥が深く、様々です。一般の美容外科でも女性器に関する治療は広く行われています。しかし、型通りの治療であって根本的な悩みの解決には至らないものであったり、ご自身の悩みの本質がどこにあるかよく分からないまま勧められる手術を受けられて結局は悩みが解決されなかったという方々も中にはいらっしゃるかと思います。

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アメリカの女性器形成専門センターでトレーニングを受けこのライセンスを取得した、日本人初の女性医師として、1人でも多くの日本の女性の方々の悩みが解決されるよう努めてまいります。