更年期にみられる膣の乾燥を解説!治療はインティマレーザーが効果的

監修医師
監修医師

満行 みどり

公開日: 更新日:

略歴

国立佐賀医科大学(現佐賀大学)医学部卒業。その後九州大学第二外科、佐賀県立病院好生館にて外科、救命救急、麻酔科全般を習得。
大手美容外科にて、ボディデザイン、女性器形成手術など多くの症例を手掛ける。

レーザーによる女性器の若返り治療、膣の引き締め、外陰部形成のライセンスをアメリカのビバリーヒルズにて日本人の女医として初めて習得。東京の広尾に、日本人初となる女医による女性器形成専門クリニック、みどり美容クリニック・広尾を開院する。

資格

  • DLV(レーザーによる外陰部形成手術)認定医
  • LVR(レーザーによる膣の引き締め手術)認定医
  • ビビーブ認定医
  • ベイザー4D認定医
  • ベイザーハイデフ認定医
  • レーザー&ヘルスアカデミー婦人科講師
  • インティマレーザーアドバンストインストラクター(インティマレーザー指導医)
  • Fotona(フォトナ社)インターナショナルコンサルタント
  • パールフィラー認定医(パールフィラー注入セミナー講師)

所属学会

  • 日本美容外科学会会員
  • 日本性機能学会会員
  • 日本抗加齢学会会員
  • アメリカレーザー医学会正会員

「最近、膣のあたりに違和感があるけれど、更年期のせい?」
「膣が乾燥する原因や治療法を知りたい」

このようにお考えではありませんか?更年期を迎えると膣が乾燥し、違和感やかゆみ、性交痛に悩む方が増えてきます。「年齢のせいだから仕方がない」と諦める女性も多いですが、更年期による膣の乾燥は、クリニックで根本的な治療が可能です。

中には日常生活に支障をきたすほどの症状が出る場合もあり、適切な治療が大切です。

そこで、本記事では更年期における膣の変化や症状、効果的な治療方法について紹介します。更年期に入ってからのデリケートゾーンの変化にお悩みの方、膣の乾燥による不調を改善したい方は、ぜひ最後まで読んで参考にしてみてください。

更年期の膣の変化

更年期は、閉経の前後合わせて10年ほどの期間を指し、大体45~55歳くらいに訪れます。

更年期になるとイライラやほてり、突然の発汗など体や心にさまざまな影響が生じる「更年期障害」が見られるようになりますが、そのうちの1つに「膣の乾燥」があります。

閉経に伴いエストロゲンが減少すると、コラーゲンの生成や水分を保つ力が低下し、肌だけでなく膣内も乾燥してしまうのです。

そして膣の乾燥は、膣のかゆみ・ヒリヒリ感・性交痛・性交時の出血に関する問題など、さまざまな症状を引き起こします。

GSMとは

GSM(閉経関連尿路性器症候群)とは、閉経前後、つまり更年期の頃に見られる「デリケートゾーンを中心にさまざまな症状があらわれる状態」を指します。

  • 膣の乾燥感
  • 膣のかゆみ
  • 排尿に関わる問題
  • 尿路感染症(UTI)

このようなGSMに伴うデリケートゾーンの問題は、どこに相談してよいのか分からず我慢してしまう方も少なくありません。しかし、デリケートゾーンの症状は放っておいても改善しにくいため、専門の医師の診断を受け、適切に治療することが大切です。

乾燥の原因はエストロゲンの減少

更年期に膣が乾燥してしまう原因の1つは、エストロゲン分泌量の減少です。

エストロゲンとは、おもに卵巣から分泌される女性ホルモンで、女性の体の発達・生殖器官の発育・健康維持に重要な役割を果たす他、コラーゲンの生産を促して肌のハリを保つ働きもあります。

エストロゲンの分泌量は成長とともに増えて20代でピークを迎えますが、20年ほどの性成熟期の後、40歳頃から減少していきます。

更年期にエストロゲンが減少すると組織内のコラーゲンが減り、肌だけでなく膣の水分量やハリも減少し、膣が乾燥してしまうのです。

ヒリヒリとした痛みや、かゆみといった症状が

膣のうるおいが減り乾燥してしまうと、ヒリヒリとした痛みやかゆみといった症状が出てきます。

中には、性交時にひどく痛みを感じたり、出血してしまうケースもあります。これは膣の乾燥に加え、膣壁のひだが薄くなり、ダメージを受けやすくなるためです。

日常生活に支障をきたすほどの不快症状や、痛みでパートナーとの性行為ができなくなるといった事態は、生活の質も低下させてしまいます。そのため、正しい診断と治療を受けることが重要です。

更年期には乾燥だけでなくゆるみといった症状も

更年期には、膣の乾燥だけでなく、膣のゆるみに悩む方も増えてきます。

膣の周りは骨盤底筋という筋肉で支えられていますが、年齢によりこの骨盤底筋の力が弱まってしまい、膣のゆるみが引き起こされます。

乾燥した結果、膣が緩んでしまうと以下のような症状が見られます。

  • 膣内の感度の低下(不感症)
  • 尿もれ
  • 入浴後に膣から水が出てくるお湯漏れ
  • おならのように空気が出る膣なら(ちなら)

膣内の感度の低下や尿もれは、骨盤底筋が弱くなることや、膣の乾燥が原因で起こります。

また、膣がゆるむことで膣内に水が入り込んでしまい、お風呂やプールなどから上がった後に下着を汚してしまうというケースも少なくありません。同様にして、膣に溜まった空気が不意に出て、音が鳴ってしまう膣ならが出る恐れもあります。

効果的な治療方法

更年期にともなう乾燥には、以下のような治療が有効です。

  • セルフケア
  • ホルモン補充療法(HRT)
  • インティマレーザー
  • ヴィーナスハイフ(膣ハイフ)
  • 潤いヒアルロン酸

それぞれ解説していきます。

セルフケア

セルフケアでは、「リューブゼリー」といったデリケートゾーン専用の潤滑ゼリーを使い、膣にうるおいをプラスします。

リューブゼリーは、当院でもおすすめしている安全性が高く信頼の持てる潤滑ゼリーです。

使い方はとても簡単で、性交の直前にゼリーを手に取り、局部の気になるところに塗って潤いを与えます。

注意点は、一般的なローションではなく、潤滑ゼリーを使用することです。ローションは、よく潤滑ゼリーと混同されますが、多くのローションは膣に使うためには作られていません。膣に使用すると、かえって乾燥やかゆみを引き起こす場合もあるため、必ずリューブゼリーのようなデリケートゾーン専用潤滑ゼリーを使うようにしましょう。

ホルモン補充療法(HRT)

ホルモン補充療法(HRT)は薬剤でエストロゲンを補う治療法で、飲み薬・貼り薬・塗り薬を使い、減少したエストロゲンを補います。

膣の乾燥だけでなく、更年期に起こりやすい発汗・ほてり・のぼせ・イライラなどの更年期障害にも効果を発揮するので、膣の乾燥に加えて発汗やイライラといった症状が強い場合にも有効です。

ホルモン補充療法の薬は婦人科や更年期外来で処方してもらえ、健康保険が適用されます。

インティマレーザー

インティマレーザーは、膣内にレーザーを照射することで、膣組織内のコラーゲン生成を促進し、膣や尿道を引き締める治療機器です。

膣や尿道の引き締めだけでなく、膣内の潤いを増幅させて乾燥の改善にも高い効果を発揮します。

「膣にレーザーを当てる」と聞くと不安に感じる方もいらっしゃいますが、インティマレーザーは痛みやダウンタイムが少なく、施術当日からいつも通りの日常生活が可能です。

また、膣の奥までまんべんなくエネルギーを届けられるため、より高い膣の引き締め効果を期待できます。

当院では、インティマレーザーの最新機種「SPダイナミス」を使用した、世界基準の治療を提供します。

インティマレーザーについて詳しく見る

ヴィーナスハイフ(膣ハイフ)

ヴィーナスハイフは、超音波を使って膣を引き締める治療機器です。

膣粘膜表面を傷つけることなく、粘膜の下や筋層にまでアプローチが可能で、極小範囲の熱ダメージを与えることでコラーゲンの分解・再生成を促して膣のゆるみを改善します。

ヴィーナスハイフは膣のゆるみのほか、乾燥にも効果的です。

ヴィーナスハイフ(膣ハイフ)について詳しく見る

潤いヒアルロン酸

マシンによる潤いアップの効果が出づらい場合に、ヒアルロン酸製剤の注入により潤いアップを補助する場合があります。

膣ヒアルロン酸注入について詳しく見る

まずはご相談を

膣の状態は年齢とともに変化し、更年期になるとエストロゲンの減少により乾燥が進みます。また、膣を支える筋肉が弱まることで、膣のゆるみで悩む方も増えてきます。

デリケートゾーンの悩みは人に話しづらく、一人で悩んでしまう方も多くいらっしゃいますが、適切な治療で改善が可能です。

ただし、一番効果的な治療法は患者さんによって異なるため、まずは専門医にご相談ください。お悩みに対して最善の治療方法をご提案します。

当院では、カウンセリングからアフターフォローまで院長が丁寧に対応しますので、まずはお気軽にご相談ください。

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