産後の膣のゆるみはいつまで続く?原因と改善方法を詳しく解説

監修医師
監修医師

満行 みどり

公開日: 更新日:

略歴

国立佐賀医科大学(現佐賀大学)医学部卒業。その後九州大学第二外科、佐賀県立病院好生館にて外科、救命救急、麻酔科全般を習得。
大手美容外科にて、ボディデザイン、女性器形成手術など多くの症例を手掛ける。

レーザーによる女性器の若返り治療、膣の引き締め、外陰部形成のライセンスをアメリカのビバリーヒルズにて日本人の女医として初めて習得。東京の広尾に、日本人初となる女医による女性器形成専門クリニック、みどり美容クリニック・広尾を開院する。

資格

  • DLV(レーザーによる外陰部形成手術)認定医
  • LVR(レーザーによる膣の引き締め手術)認定医
  • ビビーブ認定医
  • ベイザー4D認定医
  • ベイザーハイデフ認定医
  • レーザー&ヘルスアカデミー婦人科講師
  • インティマレーザーアドバンストインストラクター(インティマレーザー指導医)
  • Fotona(フォトナ社)インターナショナルコンサルタント
  • パールフィラー認定医(パールフィラー注入セミナー講師)

所属学会

  • 日本美容外科学会会員
  • 日本性機能学会会員
  • 日本抗加齢学会会員
  • アメリカレーザー医学会正会員

「出産後、膣のゆるみが気になり始めた」

「膣のゆるみはいつまで続くのだろうか」

「膣のゆるみの改善方法を知りたい」

このような悩みや疑問はありませんでしょうか。

出産後に生じる膣のゆるみは、骨盤底筋という筋肉が大きく関わっています。骨盤底筋がゆるむと膣のゆるみだけではなく、尿もれなど様々な症状をもたらします。骨盤底筋は1度ゆるんでしまうと、すぐには元に戻らないため、早めの対策が必要です。

産後のゆるみの治療は授乳が終わり生理が安定して始まった頃に施術をはじめると効果が出やすいため、半年から1年以内に1度見せていただきたいです。今回は産後の膣のゆるみがいつまで続くか、ゆるむ原因はなにか、改善する方法はどんなものがあるかを解説します。

産後の膣のゆるみは数ヶ月続く可能性がある

産後に膣がゆるむのは、出産による骨盤底筋へのダメージが大きく影響しています

産後の膣のゆるみがいつまで続くのかは、はっきりした研究結果やデータはありません。しかし産後に膣がゆるむのと同じように、骨盤底筋へのダメージが原因で生じる尿もれについては、以下のような研究結果があります。

首都圏の産婦人科病棟で、421名の女性を対象に慶應義塾大学看護医療学部が行った調査では、産後3〜5日に尿もれ症状があった女性の約半数は、3カ月後も尿もれ症状が残っていると示しました。

また出産後4.5カ月の女性を対象に鳥取県立大学短期大学が行った調査によると、約3割の人が産後4カ月以降も尿失禁症状があることが分かりました。

つまり産後に骨盤底筋がダメージを受けると、4カ月以上は元に戻らず、尿もれや膣のゆるみが継続する可能性があるのです。

また月日が経てばある程度まで元の状態に戻りますが、完全に元通りにはなりません。

産後、膣がゆるんでいる時にみられる4つの症状

産後、膣のゆるみが気になるものの、実際にゆるんでいるかどうか判断が難しい方もいるかもしれません。膣がゆるんでいる時にみられる代表的な症状は以下の4つです。

  • 尿もれ
  • お湯もれ
  • 膣ナラ(ちなら)
  • 性的な感度の低下

それぞれ詳しく解説します。

尿もれ

尿もれは膣がゆるんでいる時のサインともいわれています。咳やくしゃみ、大笑いなどの衝撃で尿がもれる場合は膣のゆるみを疑いましょう。

尿もれは、多くの女性が経験するといわれており、日常生活に影響を及ぼす可能性があるため治療したい症状の1つです。

お湯もれ

お湯もれとは、膣がゆるんでいるためにお風呂のお湯が膣内に入りやすくなり、その後膣からお湯が出てくる状態を指します。お風呂に入った後、しばらくすると膣から水が出てきて下着が濡れてしまう、といった経験がある方は膣がゆるくなっている可能性があります。お風呂以外にもプールや海水浴のあとにみられる場合が多いです。お湯もれが頻繁に続くようであれば、膣のゆるみを疑いましょう。

膣ナラ(ちなら)

膣ナラは、膣がゆるんでいるサインの1つです。膣ナラとは、膣内の空気が外にもれる際に発生する音を指します。通常、膣内は空気を含んでいないため、このような音は発生しません。

しかし膣がゆるんでいると、空気が膣内に侵入しやすくなり、膣ナラが生じやすくなります。性行為中、体位を変えた際に音が出る場合もあります。

また性行為以外でも、ヨガの際に膣ナラがでてしまったり、ひどい場合は椅子に座るタイミングで膣ナラがでてしまう場合もあります。

性的な感度の低下

膣がゆるむと、性的な感度が低下する可能性があります。セックスの際に「感じる」のは、男性器を挿入された時の刺激によるものです。しかし、膣がゆるんでいると密着しづらく、膣内の神経受容体に刺激を受けにくくなるため感じづらくなるのです。

性的な感度の低下は、自身の性生活に影響を与えるだけでなく、パートナーとの関係にも影響を及ぼす可能性があるため注意が必要です。

産後に膣がゆるむ原因

産後に膣がゆるむのは、主に骨盤底筋の機能低下が要因です。骨盤底筋はハンモック状の形態をしており、骨盤の底に位置している筋肉です。「筋」という名前がついているため、自由自在に動かせると思われがちですが、実は意図的に動かすのが難しい筋肉です。筋肉には意図的に動かせる随意筋と、意図的に動かすのが難しい不随意筋があり、骨盤底筋は、随意筋と不随意筋が混在している細かな筋肉の集合体だからです。

骨盤底筋には以下のような役割があります。

  • 骨盤の底面から膀胱や直腸、子宮などの臓器を支える
  • 排尿や排便のコントロールをする
  • 骨盤周りを安定させ、膣のしまりをサポートする

つまりこの骨盤底筋が弱体化すると、膣のゆるみ、尿漏れ、ちなら、お湯漏れといった症状を引き起こします。また、骨盤底筋の筋力が極端に低下すると、膀胱や子宮などが体外に出てくる骨盤臓器脱(こつばんぞうきだつ)という疾患を発症する可能性もあります。

産後に骨盤底筋の機能低下が引き起こされる原因

出産時、また産後、骨盤底筋の機能低下を引き起こす原因は次の3つがあります。

  • 経膣分娩によるもの
  • 体重増加によるもの
  • 加齢によるもの

それぞれ詳しく解説します。

経膣分娩により骨盤底筋が引き伸ばされる

経膣分娩は、赤ちゃんが産道を通って産まれてくる一般的な出産方法です。そして膣のゆるみは経膣分娩の後に生じるケースが多いと言われています。赤ちゃんが産道を通って産まれてくる際に、膣の入口や骨盤底筋が大きく引き伸ばされるからです。そのため膣のゆるみは、帝王切開では問題になる場合は少なく、経膣分娩特有の問題です。

体重増加により骨盤底筋に負担がかかる

産後ではありませんが、妊娠による体重増加は膣のゆるみに繋がります。体重が増加すると、骨盤底筋に過度の負担がかかり、ダメージを負うからです。仮に出産後も体重がなかなか戻らない場合は、骨盤底筋への負担が大きくなります。そのため膣のゆるみ以外にも、尿もれや骨盤臓器脱などの障害を引き起こす可能性があります。

加齢による筋力低下

年齢を重ねるにつれて、膣のゆるみは進行します。骨盤底筋は筋肉であるため、他の筋肉と同じように年齢を重ねるにつれて弱くなっていくからです。

加齢による骨盤底筋の機能低下は、出産と直接関係はありません。しかし出産の有無にかかわらず、加齢によってもともと骨盤底筋が弱っていた可能性があります。年齢的な骨盤底筋の機能低下が、出産によって顕著になるケースも十分に考えられるでしょう。

ゆるみだけでなく乾燥する場合も

産後や授乳期間中は、ホルモンバランスが変化し、エストロゲンの分泌量が減少します。このエストロゲンは膣を潤す役割を担っています。そのためエストロゲンの分泌量が減少すると膣が乾燥してしまい、性行為の際に擦れて痛みを感じるようになります。

産後で膣がゆるいため、感じにくく濡れないのではないかと考える方もいらっしゃいますが、そもそも濡れるために必要なホルモンの分泌が不足していることが原因である可能性もあります。人それぞれ原因はことなるため、不安な場合はクリニックに相談することをおすすめします。

産後の膣のゆるみを改善する4つの方法

産後にゆるみやすいと言われている膣ですが、正しい方法で治療すれば改善できます。いつまで続くか分からない膣のゆるみを、早く改善したい方は参考にしてみてください。

産後の膣のゆるみを改善する方法は以下の4つです。

  • 膣縮小手術
  • 機器による治療(レーザー、ハイフなど)
  • 膣ヒアルロン酸による治療
  • 骨盤底筋トレーニング

それぞれ詳しく解説します。

膣縮小手術(外科的な治療)

ゆるみを根本的に解決したい方におすすめの「膣縮小手術」です。膣癖形成とも呼ばれており、会陰部や会陰小帯を切除し、粘膜を除去、膣粘膜や筋層を剥離して縫合することで、たるんだ筋肉を寄せて膣のゆるみを改善する手術です。根本から症状の解消ができ、その効果は半永久的です。

当院では次の2つの治療を行っています。

  • メスを使った治療(入り口の引き締め)
  • レーザーを使った治療|LVR(奥まで引き締めることが可能)

特にLVRはアメリカ、ビバリーヒルズで治療ライセンスを取得した院長だからこそ行える治療です。他クリニックでは行っていない場合も多いためご注意ください。

機器による治療(レーザー、ハイフなど)

venushifu

機器による引き締めです。レーザーでの治療はレーザーを照射し、コラーゲンの促進を促し膣の引き締めをします。当院では5種の機器を取り揃えており、一人一人の膣のゆるみ具合によって提供する機器を変えています。また当院では日本で初めて、ヴィーナスハイフ、インティマレーザーといった治療機器を導入してきました。そのため多くの治療実績があり、より患者様によりそった治療を行うことができます。

当院では次の5つの治療を行っています。

自分に合った治療法を選択することで早期に症状を改善することができます。特に院長はインティマレーザー指導医の資格をもち、他のクリニックに指導、普及を行っているため、より効果的な治療を受けることが可能です。

膣ヒアルロン酸による治療

フィラー注入

初めて膣の引き締め治療を行う方が選択することの多い治療です。膣にヒアルロン酸を入れることで、膣を狭くすることができます。入れた分だけ狭くなるため、すぐに効果を感じやすいことが特徴です。

当院では膣ヒアルロン酸に加えて、パールフィラーも取り扱っています。

  • オリジナルハイドロフィラー
  • プレミアムボリュームフィラー
  • 韓国式パールフィラー

それぞれの治療はこちらのページで詳しく解説しておりますのでご確認ください。

膣ヒアルロン酸注入について詳しく見る

骨盤底筋トレーニングでセルフケア

骨盤底筋トレーニングは、膣のゆるみに大きく関わる骨盤底筋を鍛えるトレーニング方法です。「膣トレーニング」や「ゲーゲル体操」も骨盤底筋を鍛えるトレーニングであるため、似たような意味で用いられる場合が多いです。

骨盤底筋トレーニングの効果は、様々な研究により実証されており、自宅で手軽におこなえるのが魅力です。しかし効果が実感できるまでに数ヶ月かかることや、骨盤底筋を正しく動かすのにコツが求められる点がデメリットとして挙げられます。

治療は産後いつから受けるべき?

施術自体は産後半年から可能です。しかし、施術内容によっては授乳が終わって生理がしっかり始まっている方がより効果が出やすくなるものもあります。

そのため、治療を受ける際はその時点で授乳が終わっているか、会陰切開などある場合の傷の治りなどを診てからとなります。

効果のある施術に関しては、ゆるみの状態に応じてどの治療が適しているかを見極めてからご提案させていただきます。そのため気になる場合はまずは診察にいらっしゃることをお勧めします。

まとめ

産後の膣のゆるみがいつまで続くかは、はっきりとした研究結果やデータがないため、分からない点が多いのが事実です。しかし膣のゆるみと同じく、骨盤底筋の機能低下が原因で生じる産後の尿もれは、産後3〜4カ月の間は症状が続くことが分かっています。つまり産後の膣のゆるみにおいても、産後数カ月は症状が続く可能性があるのです。

産後の膣のゆるみを改善するには骨盤底筋トレーニングや膣縮小手術、レーザーを用いた治療が有効です。中でも、即効性や確実性を求めるのであれば膣縮小手術やレーザー治療が効果的です。

当院では経験豊富な女性院長が、カウンセリングから施術までを一貫して担当しています。産後の膣のゆるみでお悩みの方は、当院までお気軽にご相談ください。

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